車を売却する際に買取業者をネットで探していると、査定額をシミュレーションしてくれるサイトに辿り着いたり、「買取額をシミュレーションしてみませんか？」という広告を見かけたりすることがあります。しかし、こうしたシミュレーションサイトは本当に参考になるのでしょうか？

この記事では車買取専門店の視点から、シミュレーションサイトを使うデメリットや車を査定に出すときの注意点をご紹介します。

車の査定シミュレーションの2つのデメリット

ネットで車の売却先を探していると査定額をシミュレーションしてくれるサイトがヒットすることがあります。車種や年式などの数項目を入れるだけでおおよその査定額を出してくれるため、非常に便利に思われるかもしれません。しかし、以下のようなデメリットがあります。

• 大量の営業電話がかかってきたりメールが届いたりする
• 実際の買取価格と大きく乖離していて参考にならないケースが多い

それぞれどういうことなのか、詳しく見ていきましょう。

①シミュレーションサイトで
査定申込したら大量の営業電話が……

シミュレーションサイトの中には一括査定の申込みに誘導するものがあり、そうしたサイトに個人情報を登録してしまった場合、自動車買取業者から大量の営業電話がかかってきたりメールが届いたりすることがあります。

シミュレーションした直後から複数の業者から立て続けに電話がかかってきたり、いきなり「いつなら査定できますか！？」と強引に迫ってきたりするケースもあります。

氏名や住所、電話番号、メールアドレスなど個人情報の記入を求められるようなサイト、「一括査定に申し込む」と書かれたようなリンクボタンやバナーがあるサイトには注意しましょう。

②シミュレーションの価格が参考にならない…

結論からいうと買取査定シミュレーションはあまり参考になりません。シミュレーションサイトはあくまで車種や年式、走行距離、ボディカラーなど、限定的な情報に基づいて価格を算定しているためです。実際に買い取る際にはこれらの情報以外にも、以下のような要素によって買取価格が決められます。

• 車体の傷や修理歴
• 内装の状態（臭いやペットの毛）
• 車の装備
• ボディカラー
• 売る時期

それぞれにどういった項目なのか、いくらくらい変わり得るのかについて詳しく見ていきましょう。

査定に関わる項目：車体の傷や修理歴

車の傷由来の減額について、基本的には傷の程度やどこに傷があるかで減額の大きさも変わってきます。また程度だけでなく、ベースとなる買取価格帯によって影響度が変わってきます。
例えば年式が古く買取価格が5万円程度の車の場合は、多少傷があっても価格が大きく変わることは少ないです。一方で、比較的年式が新しい、あるいは人気車種で100万円以上の査定額がつくような車だと、傷によっては20万円ほど減額されてしまうケースも少なくありません。

バンパーやドアの傷はそこまで大きな減額に繋がりませんが、車のフレーム（骨格）に関わる傷や修理をした履歴がある場合は、買取価格が大きく下がってしまいます。例えば、雹（ひょう）害などでルーフを修理した履歴がある場合、擦ったりして車のトランクの下側を修理した履歴がある場合も、骨格に影響が出ていて減額されてしまう可能性が高いです。

査定に関わる項目：内装の状態（臭いやペットの毛）

車の内装の状態も重要です。例えば以下のように内装に破損があると減額となります。

• ダッシュボードのひび割れ
• シート（布製）のやぶれ
• レザーシートのひび

上記のような破損以外にも、車に臭いが付着している場合も査定に響きます。典型的なのはタバコです。特に非喫煙者にとってタバコの臭いは非常に気になります。日常的に車内で喫煙する習慣がある場合、タバコの臭いが染み付いてしまっていたり、内装がヤニで汚れてしまっていたりして買取価格が禁煙車と比較すると大幅に下がってしまうこともあり得ます。

犬や猫などのペットを車に乗せる機会が多い方も注意が必要です。臭いが付着しているほか、毛がシートやフロアマットなどに落ちているとそれがアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、やはり査定額が下がってしまうことがあります。

このあたりの要因での減額幅は先述の通り、ベースの車の価格帯にもよりますが、それを抜きにしてもかなりの減額になる可能性があります。理由として、買取業者が車を買い取って他に回す際に、タバコ臭いから売れない、動物アレルギー持ちの人には売れないといったデメリットを抱えていることが挙げられます。

査定に関わる項目：車の装備

同じ車種でも装備の有無によって査定額が違ってきます。特にメーカーオプション品がついているかどうかが評価を左右します。装備については車種によって様々ですが、例えば以下のようなものが挙げられます。

• カーナビ
• パワースライドドア
• サンルーフ
• レザーシート
• その他安全装置

前述の傷や修理歴、臭いなどは、それがあることで減額される減点式でしたが、装備の場合は、それがあることで増額になるため、加点式と捉えられます。

なお、同じ装備でも社外品の場合、奇抜な内装品やエアロパーツがついている場合は減額されてしまうこともあります。

査定に関わる項目：ボディカラー

ボディカラーによっても買取価格は変わってきます。ホワイトやブラックはやはり人気があるため査定額は高くなる傾向があります。反対に奇抜な色、例えば原色の黄色や青色、赤色、緑色などは査定額が下がってしまいがちです。

ただし、車とボディカラーがマッチしていれば、一般的には不人気な色でも、むしろ査定額が上がる可能性はあります。例えばインプレッサやレガシーなどのスバル車は「スバルブルー」と呼ばれ、青色が好まれます。また、フェラーリは真っ赤なボディカラーが人気です。

査定に関わる項目：売る時期

車の買取価格は時期によって異なります。例えば進学や就職、人事異動などのライフイベントを控えた1～3月は車を買う人が増えるため、買取価格が上がる傾向があります。

なお、月ごとに査定額を算出してくれるシミュレーションサイトもありますが、シミュレーションをしたタイミングでの買い取りが一番高く見える見せ方をしてることがあるため、注意が必要です。

車のシミュレーションには意味がない？

以上のように車の買取価格はさまざまな要因で決まります。シミュレーションサイトでは車種と年式、走行距離、ボディカラーくらいしか項目がないため、その車の状態や履歴などを調べて算出した査定額と乖離が出るのは当たり前のことです。

新車で購入した車を売却する場合は、まだ修理歴の有無や状態の把握ができているため、シミュレーションサイトの価格が参考になる可能性もあります。しかし、中古で買った車を売却する場合、前オーナーが修理をしているかどうか把握することはできません。また、車内でタバコを吸っていたり、ペットを乗せていたりしていたかもしれません。査定時にはじめてマイナス要素が見つかることも多いです。

シミュレーションが参考になるケースとは

以下のような条件に一通り当てはまる方は、ある程度シミュレーションでの算出額を参考にしてもよろしいかと思います。

• 購入した車が新車
• 特に目立った傷や修理歴がない
• 禁煙車でペットを載せたことがない

その他簡易的にでも目安がほしい場合はある程度参考にしてもいいかもしれませんが、上記に当てはまらない方はやはりシミュレーションを当てにしない方がいいでしょう。

中古車を査定に出すときの注意点

お持ちの車がいくらで売れるのかを知るには実際に査定に出すのが一番確実です。シミュレーションサイトに限らず、最終の買取額と査定額とで乖離が出づらい、スキルのある業者に依頼することが大切です。

例えば中古で購入した車を売却する際に経験や知識があまりない営業担当者が最初に査定をし、実際に買取となってもう一度調べてみたら前オーナーが所有していたときの修復歴が見つかって減額されてしまったというケースが非常に多いです。実際の買取額で比べた際には他社の方が結果的に良かったこともままあります。経験豊富な査定員が最初から査定を担当していれば、このような事態は起こりません。

査定に関するトラブルについてはこちらの記事でさらに詳しくご紹介しています。

車買取業者とのトラブルが年々増えている？悪徳業者の事例やトラブルの回避方法を紹介

まとめ

車の査定額シミュレーションサイトは車種や年式、走行距離、カラーを入れるだけで査定額がわかるので、便利に思われるかもしれません。しかし、実際の買取価格とは非常にかけ離れた金額が表示されるケースがしばしばあるため、あまり参考にならないのが実情です。特に中古で購入した車を売却した際には修復歴や前オーナーの使用状況がわからないため、シミュレーションがまるっきり当てにならないことになります。

東京都町田市のジェイカーズでは30年以上自動車買取に携わってきたプロがしっかりと査定いたします。査定に自信があるから、後から修復歴を見つけて減額をすることはありません。お客様のお車への想いも乗せて買い取らせていただきます。

「査定を受けるだけじゃ申し訳ない」と遠慮する必要はありません。金額だけでも知りたい、しつこい営業はされたくないという方はぜひジェイカーズにご相談ください。